今回は病気を治すことで有名な薬師如来という仏様がいらっしゃるという、屋部寺にお参りに行きました。
屋部寺は名護市屋部の住宅街の一角にある小さな無人寺です。
小さいながらも知る人ぞ知る有名なお寺で、特に「ユタ」やその道の方達は絶対知っているといっても差し支えがないほど。
沖縄県内のみならず、時には県外からもお参りに訪れるという程のパワースポットとのことです。
実際にわたしが訪れた時にも先客が一組いましたが、内地から来たと思しき方々がお参りをしていました。
お寺の正式名称は、『凌雲院(りょううんいん )』ですが、『屋部寺』という呼び名の方が有名のようです。
それでは屋部寺とはいったいどんなところなのか、紹介していきます。
屋部寺の『不動明王』は酉年の守護本尊
実は今回お参りに来た一番の目的は病気回復ではなく、わたしの干支酉年の守護本尊である不動明王にお会いするためでした。
最近やる気がなくてしょんぼりしているわたしを見て、その道の方から「あなたは酉年だから不動明王に挨拶して来なさい」
と勧められたのがきっかけです。
ちなみに守護本尊とは人の一生を守り続けてくれる仏様を指し、「一代守り本尊」とも呼ばれていて生まれ年(干支)ごとに定められています。
ちなみに干支ごとの守護本尊はというと
ねずみ年(子年)・・・手観音菩薩
うし年(丑年)・・・虚空蔵菩薩
とら年(寅年)・・・虚空蔵菩薩
うさぎ年(卯年) ・・・文殊菩薩
たつ年(辰年) ・・・普賢菩薩
へび年(巳年) ・・・普賢菩薩
うま年(午年)・・・勢至菩薩
ひつじ年(未年)・・・大日如来
さる年(申年)・・・大日如来
とり年(酉年)・・・不動明王
いぬ年(戌年)・・・阿弥陀如来
いのしし年(亥年)・・・阿弥陀如来
となっています。
てっきり一つの干支に対して、それぞれ個別で仏様が決まっているかと思いきや、中には兼任されている仏様もいらっしゃいますね。
ふとAKBグループみたいだなと思ってしまいました(笑)
屋部寺の入り口と外観
屋部寺は閑静な住宅街の中の木々に囲まれた無人寺。
とても静寂な空間にあって厳かな雰囲気が漂い、まるで別空間に来たかのような感覚を覚えます。
雨上がりだったので、より一層それが際立っていたのかもしれません。
すぐそばの小道にある小さなスペースに駐車して、車から降りた瞬間に自然の匂いがふわっと体の中に入り込んで来ました。
入り口で足を止め、石碑に目をやると何やら文字が・・・凌雲和尚という方によって西暦1692年に建てられたという内容が刻まれています。
なるほど、お寺名は開祖である凌雲和尚の名前だったんですね。
そして、干ばつ時には祈祷で大雨を降らせて、屋部地域で多発していた火事を除災したともあります。
自然災害から地域の住民達を守ったんですね・・・住職が当時の村人達からとても尊敬されてたということが伺える内容です。
ちなみにこちらのお寺は戦前から住職は不在で、地域で管理しており、維持費などは住民の方々からの出費だそうです。
やはり凌雲和尚は今も昔も慕われているんですね!
元旦や旧九月十五日に行う祭礼は今でも続いているそうで、とても長く続いている伝統行事ということになります。
入り口か中に入ってすぐの所に、鐘撞堂がありました。
ここの鐘撞堂で大晦日の除夜の鐘を、毎年ついているそうです。
参道を行き着いた先に、4基の灯籠と小さいながらも赤瓦が立派な小堂があります。
私たちしか参拝客がいなかったので、本当に静かでした。
屋部寺の仏様達
写真が暗くて見えづらいですが、小堂の中には7体の仏像が安置されています。
仏像のお名前と気になるそのご利益ですが
左端から順にご説明していきます。
①子安地蔵菩薩像(こやすじぞうぼさつぞう)・・・子宝や安産などの、子供関係のご利益。
②不動明王像(ふどうみょうおうぞう)・・・酉年の守護本尊。厄難除災、出世や商売繁盛などにご利益。
③ 聖観音菩薩像(しょうかんのんぼさつぞう)・・・『観音経』に記載されている、七難を免れる事ができる。七難とは、①火難、②水難、③羅刹難、④刀杖難、⑤鬼難、⑥枷鎖難、⑦怨賊難。
④薬師如来像(やくしにょらいぞう)・・・屋部寺の本尊。病気回復、心身安楽、災難・苦悩消滅など。
※本尊とは・・・お寺において、最も尊重されている仏像で中心的な役割を果たしている仏像
⑤延命観音像(えんめいかんのんぞう)・・・長寿、健康、安産、知恵、金運など。
⑥地蔵菩薩像(じぞうぼさつぞう)・・・五穀豊穣、無病息災、子授け、子供守護、水子祈願、交通安全など。
⑦釈迦如来像(しゃかにょらいぞう)・・・仏教の開祖にして原点。特化したご利益は無く、悟りを開くにあたりご利益があるといわれている。
屋部寺の本尊でもある薬師如来像をはじめ、こちらに安置されている仏像は病気の回復にとてもご利益があるので、健康面で不安を抱いている方やそのご家族の方々にとっては、とてもおすすめできる場所です。
仏像の前にそれぞれ香炉があったので、本格的にお参りする方は線香を立てた方が良いのかもしれません。
ただ今回は、お参りを勧めてくれた方から「ご挨拶に伺いましたと感謝の気持ちを伝えれば、それだけで大丈夫だよ」と教えられたので、線香は立てずに中央にある賽銭箱に小銭を入れてお祈りしました。
心なしか晴れやかな気分になって、寺内を散策する足取りも軽やかです。
ちなみに、お参りする際の注意書きが小堂の壁に貼られていたのでご確認ください↓
戦後再建して、更に改修工事が行われたという旨が記載されています。
中に入ってみると意外と広くて、びっくりしました。
無人寺ですが、とても綺麗で管理が行き届いており感心です。
緑が生い茂った広い空間はとても落ち着きます。
しばらくぶらぶら散策していました。
広場を歩いていると『坊主御井戸 昭和六十二年 旧九月十五日』と記載された石碑を発見。
ボウジウカーと読むらしく、「カー」とは沖縄の方言で井泉とか井戸を指します。
昭和六十二年(旧九月十五日)に復元された井戸跡ということですね。
なんだかとても神聖な雰囲気が漂っていて、わたしにとってはここが一番落ち着ける場所でした。
まとめ
屋部寺は那覇からは結構な距離で、高速を利用しても1時間半以上かかってしまいます。
近辺には「美ら海水族館」や「古宇利島」等の有名なスポットがあるので、観光のついでに寄ってみるといいかもしれません。
なかなか味わえない厳かな雰囲気なので、興味を持ったかたはぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
健康面に不安を抱えている方は特におすすめですよー!
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